2025年5月15日
賃貸マンションでキッチン扉が閉まらなくなったと公式LINEアカウントに連絡を頂きました。
（現地の都合で全体写真はお見せ出来ません）
現地の状況は流し台の右端にシンクがあり
不具合を起こした扉がその下にありました。
シンク下右端の扉がお辞儀をしています
扉の裏側を見ると納得しました・・・
上の丁番は過去に不具合を起こし手が入っていて斜めに取り付けられています
大工さんか誰かが作業のついでにしたのかもしれません
下の丁番はどうか？真っすぐ取り付いています
一旦扉を外して上の丁番を真っすぐにしたいので扉を外してみます
どこかのテレビ番組ではありませんが なんということでしょう～ 状態です
上下の丁番には過去何度も取り外して復旧させた痕跡があります
よく見ると扉は木製とはいいがたい素材のために
ねじ穴周辺は脆く割れています。
扉を一枚だけ作り直せばな何も言うことはありませんが
既存扉はちょっと変わったグリーン色
この扉を他の扉に揃えて一枚だけ新しくすることはもう出来ないため
全部の扉を作り直すか なんとしても既存扉を再利利用するかの選択・・・
大家さんにしてみれば前者は避けたいですよねきっと。
結果ネジが効く場所に丁番を取り付けたのちに
キャビネット側の固定金具にも手を入れることにします
元々扉がお辞儀してしまっていたので
ローラーキャッチ（固定金具）がずれてしまい凸と凹が嚙み合わくなっているので
一旦凹を外して一調整してみます
写真で見ると古いねじ穴が金具下に顔を出しています
凹金具をずらして無事に凸と凹が噛み合うことが出来て
きちんと閉まるようにはなりました。
大家さんと入居者様に説明しました、今回の不具合は
① 扉の重量が重い
② 使用頻度がとびぬけて高かったのではないか？
③ ねじ穴から判断できるように過去の修繕履歴から
扉自体の寿命が来ているかもしれない
ここに掲載させていただいた写真と扉開閉時のビフォーアフターの動画も付けて
現場から大家さんへ送らせていただきました。
扉を全部新しくしようと考えると弊社には有難い話ですが
築30年過ぎた物件にはまだマンション建設時の支払いが残っていると考えるのが普通です
今回は何とか事なきを得ましたがきっと近いうちに
扉を変えざるを得ないタイミングが来るのかもしれません。
今回修理の一連の流れを掲載させていただきました、
世の中に同じ状況の物件が無数に存在すると考えられるので
大きな費用をなるべくかけないで何とか普通に使用できる可能性を見つけていただけたなら
職人として役に立てる気がします。
ご覧いただきありがとうございました。 稲垣貴俊
